
photo by NHK
2021年は、大河ドラマ第60作目の節目の年です。そんな節目の年に選ばれたのは「青天を衝け(つけ)」。
主人公は約500社の企業を育て、数多くの社会公共事業に携わり「日本資本主義の父」と呼ばれる『渋沢栄一』です。新一万円札の顔として、改めて注目もされていますね。
激動の時代で高い志を持って挑戦し続ける男の物語。そんな間違いなく2021年最初の目玉となる大河ドラマ「青天を衝け」の主人公・渋沢栄一の人物像から、ドラマのキャスト陣、あらすじ、見どころ、放送日まで、ドラマに関する事前情報をとことんご紹介します。
2021年大河ドラマ「青天を衝け」の主人公は『渋沢栄一』!
大河ドラマ「青天を衝け」の気になる主人公は、2024年度上半期に刷新予定の紙幣・新一万円札の顔として知られる『渋沢栄一』です。
渋沢栄一とは
渋沢栄一は、別名「日本資本主義の父」と呼ばれる日本近代経済史のビックネームです。
その偉業はとてつもなく、第一国立銀行をはじめ、約500もの企業の設立に関わっています。日本に「銀行」という言葉を生んだのも渋沢栄一です。
実業家としても幾多もの功績を残している渋沢栄一ですが、会社だけでなく、現在の東京株式取引所、東京手形交換所なども、渋沢栄一が手掛けたものです。
このように、日本経済界の礎を築いた人物として知られています。
渋沢栄一の生涯
渋沢栄一の人生は、実に波乱万丈でした。大河ドラマ「青天を衝け」を見る前に、まずは史実の渋沢栄一の生涯を振り返ってみましょう!
幼少期:「官尊民卑」が生む反骨心
渋沢栄一は、藍染めの材料を作る百姓の生まれです。
幼い頃から頭の回転に優れ、商才があった栄一ですが、ある日、代官に歯向かったことで理不尽な罵倒を受けてしまいます。当時の日本はいまだ「官尊民卑」の真っただ中。
幼き栄一は、このいびつな権利体制に強い憤りを覚え、尊王攘夷に燃える志士となっていきます。
青年期:討幕の士が幕臣に…。変わる攘夷思考
攘夷の志から江戸で仲間を集め、高崎城の襲撃乗っ取りを計画する栄一たち。この計画は未遂に終わりますが、のちの徳川家将軍、一橋慶喜との出会いが栄一の人生に転機を与えます。
慶喜のもと、本意ならずも幕臣として働く栄一は、パリ国博覧会に随伴をしたことで、官民一体となった社会の仕組み、国民が主体となって国を作っていく姿に衝撃を受けます。
そして国づくりへ!渋沢栄一の日本改革が始まる
大政奉還により江戸幕府が終焉を迎え、栄一もまた新政府に招聘をされました。官民一体となった国づくりへ、渋沢栄一の改革がはじまるのです。
「青天を衝け」の意味は?渋沢栄一の生き様を詠んだ漢詩
「青天を衝け」は渋沢栄一自身が詠んだ漢詩の一節である「勢衝青天攘臂躋 気穿白雲唾手征」から取られています。
「青空をつきさす勢いで肘をまくって登り、白雲をつきぬける気力で手に唾して進む」という意味で、額に汗を流し、人生という山を登り切った渋沢栄一にふさわしい句です。
2021年の大河ドラマ「青天を衝け」も、きっと渋沢栄一の信念と行動力に感動し、見る人の人生に語りかけるような内容になっていることでしょう。
2021年大河ドラマ「青天を衝け」のあらすじ
主人公・渋沢栄一(吉沢亮)が生まれたのは天保11年(1840年)、現在の埼玉県深谷市にあたる武蔵国榛沢郡血洗島村。
染料のもとである「藍玉」づくりと養蚕を営む農家のもとに生まれ、父母と近くに住む従兄弟たちに囲まれて育ちました。
従兄弟のひとりである惇忠(田辺誠一)は、水戸学に傾倒。
その惇忠(田辺誠一)から学問のいろはを学び、相棒のような2歳年上の喜作(高良健吾)とともに憧れたのは、惇忠の妹である千代(橋本愛)。
そんな幼少期を過ごした栄一(吉沢亮)は、のちの15代将軍徳川慶喜(草彅剛)との出会いによってその運命が変わります。
慶喜(草彅剛)は厳しい父による教育を受け、のちに約500社の企業を育て、数多くの社会公共事業に携わった「日本資本主義の父」となる栄一(吉沢亮)の人生に大きくかかわってきます。
幕末から明治への激動の日本と、長い幕府政治の終わり、慶喜(草彅剛)の名誉回復のために奔走する栄一(吉沢亮)の忠義というふたりの人生が、幕末の血洗島村と水戸から始まり、やがて交わり、日本の歴史を動かします。
2021年大河ドラマ「青天を衝け」の主演は誰?豪華キャストをご紹介
毎回豪華なキャストが話題となる大河ドラマ。
特に2021年は第60作目となる節目の年でもあるため、より注目が高まります。そんな「青天を衝け」の主演俳優などの豪華キャスト陣をご紹介します。
渋沢家・中の家
渋沢栄一 役:吉沢亮
「青天を衝け」の主人公・渋沢栄一を演じるのは、吉沢亮さん。仮面ライダーフォーゼ出演で一躍有名になり、2019年のNHK朝ドラ「なつぞら」など数多くの話題作に出演する若手イケメン俳優のひとりです。
渋沢「中の家(なかんち)」の長男であり、子どもの頃からおしゃべりで意地っ張りという栄一。
従兄弟や父親の影響を受けながら家業を学びながら、思いがけない商売の才能を開花する役どころを演じます。
栄一の父・渋沢市郎右衛門役:小林 薫
厳格ながらも、破天荒な栄一の生き方を誰よりも支援した栄一の父・渋沢市郎右衛門。「中の家(なかんち)」に婿養子として入り、藍玉づくりの名手とも呼ばれます。
栄一の母・渋沢ゑい役:和久井映見
栄一を愛情深く育てた母・渋沢ゑい。「みんながうれしいのが一番」の精神を幼き栄一に教え、羽織を手にして栄一を追いかける姿が「羽織のおゑい」を呼び親しまれます。
栄一の姉・渋沢なか役:村川絵梨
優しい母とは異なり、栄一にとってはおっかない存在でもある姉・なか。縁談を巡って、ちょっとした騒動が起きてしまいます。
栄一の妹・渋沢てい役:藤野涼子
年の離れた栄一にかわいがられ、兄を慕う妹・てい。栄一にとって何でも話すことができ、生涯にわたり信頼のおける肉親であったとされています。
渋沢家・新屋敷
栄一の従兄・渋沢喜作役:高良健吾
渋沢一族の一家「新屋敷」の長男で栄一の幼なじみ、生涯の相棒にもなる存在。直情的で情に厚く知性派の栄一とは正反対の性格であり、幕末の混乱の中で彰義隊を結成し栄一とは異なる道を歩むことになります。
喜作の妻・渋沢よし役:成海璃子
情熱的な喜作にひと目ぼれしたものの、結婚後は喜作の方がすっかり尻に敷かれるように。栄一と喜作が京へ旅立ってからは、千代のよき相談相手となります。
渋沢家・東の家
栄一の伯父・渋沢宗助役:平泉 成
「東の家(ひがしんち)」の当主であり、栄一の父・市郎右衛門と共に村をまとめる顔的な存在。甥にあたる栄一には、時に口うるさく小言を言います。
栄一の伯母・渋沢まさ役:朝加真由美
栄一の伯母にあたり、人はいいが少々おせっかいな性格。宗助とのコンビネーションが絶妙で、憎めないおしどり夫婦です。
尾高家
栄一の伯母・尾高やへ役:手塚理美
栄一のいとこにあたる惇忠、長七郎、千代、平九郎らを育てあげた尾高家の母。幕末の動乱に巻き込まれていく子どもたちを心配しつつも、温かく見守っています。
栄一の従兄・尾高惇忠(新五郎)役:田辺誠一
いとこである栄一や喜作に学問や剣術を教えるほか、明治維新後は富岡製糸場の初代場長となり栄一を支えます。
栄一の従兄・尾高長七郎役:満島真之介
神道無念流(しんどうむねんりゅう)の剣豪として名をとどろかせ、栄一にとって憧れの存在。
栄一の妻・尾高千代 役:橋本愛
控えめですが、真の強い女性である栄一(吉沢亮)の妻・千代を演じるのは、橋本愛さん。
今年女優歴10周年を迎える橋本愛さんは、直近では日本テレビ系土曜ドラマ『35歳の少女』にも出演をするなど、人気の女優さんです。
大河ドラマには2018年の「西郷どん」、2019年の「いだてん」にも出演しており、すっかりお馴染みなりました。
栄一の従弟・尾高平九郎役:岡田健史
栄一のパリ行きに伴い見立て養子となりますが、それがきっかけとなり幕府崩壊の動乱に巻き込まれていってしまいます。
惇忠の妻・尾高きせ役:手塚真生
文武に精通した人格者の夫を寡黙に支える惇忠の妻。長男であるため家を出ることができない惇忠の歯がゆさをひそかに感じています。
栄一に影響を与える人々
砲術家・高島秋帆役:玉木 宏
洋式砲術家である秋帆。保守派の陰謀により投獄されてしまいますが、やがてペリー来航にて秋帆の見識が幕府に求められて釈放されます。
剣術家・真田範之助役:板橋駿谷
北辰一刀流・千葉道場で腕を磨いた剣豪であり、尾高の道場に手合わせを挑んできたことをきっかけに、栄一たちとの友情が生まれます。
岡部藩代官・利根吉春役:酒向 芳
栄一が暮らす血洗島村を治める岡部藩代官。中の家(なかんち)にやってきては横柄な態度を見せていましたが、やがて大人になった栄一とも対立することになります。
儒学者・大橋訥庵役:山崎銀之丞
「思誠塾(しせいじゅく)」を開き尊王攘夷を唱える、江戸の儒学者。栄一の従兄である長七郎も塾生のひとりであり、大橋の思想に傾倒していきます。
一橋家
徳川最後の将軍・徳川慶喜 役:草彅剛
栄一(吉沢亮)と深い信頼関係を築き、終生の友でもあった重要な役どころ、徳川慶喜役に挑むのは、草彅剛さん。
SMAP解散後は、YouTubeでも活躍をするなどマルチな活動が目立っています。
草彅さんは、2004年に香取慎吾さん主演の「新選組!」で榎本武揚役を演じて以来、17年ぶりの大河ドラマ出演となります。そんなこともあって、草彅さんの大河ドラマ出演に喜んでいる方も多いのではないでしょうか。
主演吉沢亮とは初の競演ということで、どのような化学反応が起きるのか、今から楽しみですね!
慶喜の正室・美賀君役:川栄李奈
慶喜の正室となりますが、一橋家の未亡人である徳信院と慶喜の恋仲を疑い、自殺未遂の騒動を起こしてしまいます。付かず離れずの夫婦ながらも、やがては慶喜のよき理解者となっていきます。
慶喜の養祖母・徳信院役:美村里江
一橋家当主・徳川慶寿(よしひさ)の正室。慶喜が次いで後継となったため、わずかな年齢差で養祖母となり、ふたりは特別な信頼関係で結ばれます。
慶喜の側近・平岡円四郎役:堤 真一
慶喜からの信頼が厚く、やがて慶喜の側近の用人となります。攘夷(じょうい)の志士を目指していた栄一は、この円四郎と出会うことで人生が大きく動きだします。
円四郎の妻・平岡やす役:木村佳乃
円四郎の妻。吉原の売れっ子芸者でありましたが、円四郎に見初められて妻になります。気が強く、粗野で破天荒な円四郎であってもやすには頭が上がりません。
水戸藩
水戸藩主・徳川斉昭役:竹中直人
先進的かつ実行力がありながらも、その気性の激しさからのちに「烈公(れっこう)」と呼ばれる、水戸徳川家第9代藩主・徳川斉昭。栄一の主君となる慶喜の父でもあり、幼少期から慶喜への愛情が深い一面も持っています。
その他、物語を盛り上げる豪華キャスト陣
その他にも以下の豪華キャスト陣が『青天を衝け』を盛り立てます!
- 斉昭の側近・藤田東湖役:渡辺いっけい
- 斉昭の側近・武田耕雲斎役:津田寛治
- 東湖の息子・藤田小四郎役:藤原季節
- 第12代将軍・徳川家慶役:吉 幾三
- 第13代将軍・徳川家定役:渡辺大知
- 家定の正室・篤君(天璋院)役:上白石萌音
- 家定の乳母・歌橋役:峯村リエ
- 大老・井伊直弼役:岸谷五朗
- 老中・阿部正弘役:大谷亮平
- 老中・堀田正睦役:佐戸井けん太
- 勘定奉行・川路聖謨役:平田 満
- 海防掛・永井尚志役:中村靖日
- 福井藩主・松平慶永(春嶽)役:要 潤
- 福井藩士・橋本左内役:小池徹平
- 米国海軍軍人・マシュー・ペリー役:モーリー・ロバートソン
大河ドラマ「青天を衝け」の見どころは「激動の時代に負けない栄一の高い志」!
2021年大河ドラマ「青天を衝け」の一番の見どころは、主人公・渋沢栄一(吉沢亮)の生き様です!
ただの農民であった栄一(吉沢亮)が倒幕を志したものの一転、幕臣となり、その後は日本資本主義の父と呼ばれるほどになった栄一(吉沢亮)。
さらに尊王攘夷派の父のもと、「将軍になりたくなかった男」徳川慶喜(草彅剛)が「最後の将軍」として生き、長く続いた幕府を終わらせるまでにどんなドラマがあったのか? 見どころですね!
大河ドラマ「青天を衝け」の放送はいつまで?
現在放送中の大河ドラマ「麒麟がくる」の最終回終了後、2021年2月14日(日)から放送を開始した「青天を衝け」。
放送終了日については、今のところ公表されていませんが、例年通り12月末に最終回を迎える予定です。
放送開始日 | 2021年2月14日(日) |
放送終了日 (予定) | 2021年12月 |
NHK総合 | 20:00~21:00 |
NHKBSプレミアム・BS4K | 18:00~ ※15分拡大版(「青天を衝け」紀行含む) |
激動の時代に生きた「日本資本主義の父・渋沢栄一の挑戦」をチェックしよう!
約1年間に渡って描かれる渋沢栄一の生涯と、激動の日本、関わる人々の人間ドラマなど、初回からラストまで目が離せない展開となること間違いなし!
豪華なキャスト陣による迫真の演技と、NHKの技術を結集した映像美で幕末から明治の日本に思いを馳せることができます。
毎週日曜日20時〜放送の大河ドラマ「青天を衝け」、ぜひチェックしてみてくださいね!
photo by NHK連続テレビ小説『おちょやん』公式サイト2020年11月末から放送をスタートした連続テレビ小説(通称:朝ドラ)103作目の『おちょやん』。いよいよ、5月14日(金)に最終回を迎えるとあって話題になって[…]