
5歳は、保育園ならば年長さん。もうすぐ小学校に上がるお兄さん・お姉さんです。
年長さんになると、いままでのような「ひとりであそぶ」「先生とあそぶ」といった個別の遊びを卒業し、友達と一緒に遊んだり、時にはけんかもすることもあるでしょう。
また、親に怒られたとしても、「だって」「でも」などの言葉を駆使して言い訳をするようになってきます。これらは、5歳児の言語能力がいかに発達してきているかの証拠です。
今回は、そんな言葉に対しての吸収力が著しく発達する時期である、5歳に適した絵本の選び方と、保育士目線で選ぶおすすめの絵本5冊をご紹介したいと思います!
5歳児の絵本の選び方のコツ
言語能力の発達が著しい年長さんに適した絵本選びのポイントは「子どもの言葉への好奇心をいかにくすぐるか」です。
おおまかなポイントとして、以下の3つの点に注意をして絵本選びをしてみましょう。
1.心の成長を促す内容であること
小学校での共同生活に向け、子どもの道徳心を伸ばしてくれるような内容の絵本を読ませることは、今後の成長に好ましい影響を与えてくれます。
5歳は主体性も明確に出てきて、保育園でもおもちゃの取り合い、主張のぶつかり合いでよくお友達と喧嘩をする時期。
そんな時に大切なことは、喧嘩をしてしまった後に「やり取りを反芻して、気づきとごめんなさいする」ことを教えてあげることです。
絵本での知識は、こういったケースに非常に役立ちます。実際「(絵本のキャラクターなど)だったら、どうするかな~?」といった誘導は保育現場でもよく使用されています。
ぜひ、人を思いやる気持ちをはぐくめるような絵本を探してみましょう。
2.言葉への興味が育つ絵本を探そう
5歳児に絵本の読み聞かせをしていると「これはなーに?」「この字はなーに?」と聞かれるようになります。子どもたちの興味から生ずる疑問は、知識を蓄える最高のシチュエーションです。
子どもの興味をうまく引き出し、文字が好きになるような絵本を探してみましょう!
3.子どもが好きなジャンルを探そう
5歳になると、自分の好きな絵本のジャンルもはっきりしてきます。いろいろなジャンルの絵本に触れ合わせてあげることで、その子が好きなお話の特徴やジャンルが見えてきます。
一緒に本屋さんや図書館に遊びにいって、たくさんの本から子どもの好きな絵本を選ばせてあげましょう。自分で選んだ絵本は、きっとたくさんの知識をお子さんに与えてくれるはずです。
5歳児におすすめの絵本5選
さて、ここからは現役保育士である筆者が選ぶ、5歳児におすすめの傑作絵本5選をご紹介していきます。選考のポイントは以下の3つです!
- 5歳の知的好奇心を刺激する内容である
- 最後まで飽きずに読めるおもしろさがある
- 読み聞かせに最適である
それでは、どうぞ!
1.はじめてのおつかい

小さな子どものはじめてのおつかいを題材にした、ドキドキワクワクする内容の絵本。
主人公のみいちゃんが勇気を振り絞って困難に立ち向かう姿が、まるで目の前のことのように伝わってきます。
「はじめてのおつかい」は、子どもの自立心やチャレンジ精神を刺激する作品です。
現代ではなかなかひとりでお買い物に行かせることはありませんが、子どもに「これ、やってみたい!」という気持ちを芽生えさせてくれる名作です。
2.おまえうまそうだな

「おまえうまそうだな」大きなティラノサウルスが、ひとりっきりのアンキロサウルスの赤ちゃんを食べようと、口を広げるところから始まる感動作です。
ティラノサウルスとアンキロサウルスの間にだんだんと絆が生まれ、友情が育まれている過程がテンポよくユニークに描かれていて、子どもがグングンと作品にのめりこんでいきます。
ラストに見せるティラノサウルスのやさしさは、大人でも感動してしまうようなものです。挿絵も非常によい演出をしてくれています。
ちなみにこの作品は、映画化もしています。公開が2020年10月ですので、絵本を読んだ後、実際に映画を子どもと一緒に楽しんでみるのもおすすめです!
3.おおきくなるっていうことは

Q&A方式でテンポよくお話がすすむ絵本で、子どもでも理解がしやすいのが特徴です。
「おおきくなるっていうことは」という問いかけから始まり、かわいいイラストとともに「成長ってなんだろう?」という疑問を解決しながら読み進められます。
5歳児は、保育園では年長さん。じぶんより小さなお友達もたくさん増えたことでしょう。そんな子どもたちに、やさしい心の芽生えをサポートし、小学校でまた新しい環境になることに「心の準備期間」を与えられる作品になっています。
進級前にじっくりとわが子に読み聞かせてあげたい絵本です。
4.うえきばちです

表紙にも書かれているなんの変哲もない茶色い植木鉢に植えられるのは、意外なもの。
ダイナミックな絵と展開に、子どもたちも大はしゃぎの人気絵本です。
シンプルに笑える絵本かと思いきや、実はちょっとした言葉遊びが随所にちりばめられており、子どもが「同じ音だけど意味が違う」という日本語の特徴を理解できる内容になっています。
子どもの語彙力や言葉への興味をはぐくむのに最適の一冊です。
5.えんとつ町のプペル

キングコング・西野亮廣さんプロデュースの人気絵本、「えんとつ町のプペル」も5歳の子どもくらいから楽しめる作品です。
煙に覆われた空の見えない町で、ハロウィンの夜に生まれたゴミ人間のプペルと、えんとつ掃除を生業とする少年ルビッチの友情の物語は、大人が読んでも感動ができると話題です。
それゆえに、対象年齢が広く、子どもから大人まで楽しめる絵本として紹介されることもしばしば。
美麗なイラストとドラマティックなストーリーは、子どもの冒険心をくすぐること間違いなしです。
信じることの素晴らしさや友情・家族愛の大切さを教えるのに最適な絵本です。
ちなみに、「えんとつ町のプペル」は今冬に映画が公開されます!公開日は2020年12月25日のクリスマス。ぜひお子さんと劇場でご覧になってみてはいかがでしょうか。
えんとつ町のプペルについてもっと詳しく知りたい方は、こちらの記事もご覧になってみてくださいね。