
2020年から始まったコロナの猛威。この感染症を封じ込めるために、たくさんの経済活動に停止措置や制約が与えられました。一方で、世界の二酸化炭素(CO2)排出量について、2020年は前年と比較して5.8%ほど減っているようです。
こういった良いニュースを見ると、少しだけポジティブな気分になれますよね。コロナ後の社会を考えてみると、「単純に元の生活を取り戻すだけでいいのか」「持続的な社会とはどういうことか」など、これまでの私たちの「物の見方や捉え方」を転換させるチャンスなのかもしれません。
そこで今回は、そんな未来のヒントになるようなイベントをご紹介。東京・銀座にある資生堂オフィスのウィンドウアートを起点に、銀座の街の生態に目を向け、未来のヒントを探るプロジェクトです。
銀座の街を発見・観察・創造銀座の生態がわかる情報が発信されるプロジェクト

今回のプロジェクトは、銀座が創業の地である「株式会社資生堂」と、「体験価値を創り出し、企業のコミュニケーションをデザインする」ことを掲げているイベントプロモーション会社「株式会社博展」が共同で開催しています。
近代的な建物が立ち並ぶ銀座ですが、道端にひっそりと咲いている花だったり、何気なく飛んでいる蜂だったり、立ち止まって周りを見渡してみると、生き物や植物がしっかりと生息していることに改めて気づかされます。
そんな銀座の生態について、資生堂 銀座オフィスのウィンドウアートや、銀座を取り巻く人々とのフィールドワークなど、さまざまな視点で見つめることができます。
【前期】銀座生態図 GINZA ASSEMBLAGE MAPは銀座に生息する植物や生物が主役
プロジェクトは、【前期】【中期】【後期】といった3つのフェーズで構成されており、2021年8月下旬までは前期の「銀座生態図 GINZA ASSEMBLAGE MAP」が展示されています。
■GINZA Sustainability Project【前期】銀座生態図 GINZA ASSEMBLAGE MAP概要
展示期間 | 2021年4月~8月下旬 |
展示場所 | 資生堂 銀座オフィス(東京都中央区銀座7−5−5) |
前期は、銀座の街のフィールドワークや生態調査によって発見した、銀座に生息する街路樹や野良花などの植物や生物たちが主役。

▲実際の調査資料(一部)
町で採取し、転写・ドライ化した花や植物の葉脈の特徴を可視化させたものや、鳥の彫刻、さまざまなクラフトワークを組み合わせることによって、本物と見間違えるほどの生態の姿が展示されています。
また、マップでは銀座が72のエリアに分かれており、それぞれの展示物を採取した場所や、銀座の歴史との関係なども合わせて表現されています。これまで知らなかった銀座のストーリーが見えてきそうですね。

植物や生物とともにある「銀座の街」を未来につなげるために
アートやフィールドワークをきっかけに、サステナビリティな社会について考えるプロジェクト。「サステナビリティ」と聞くと、難しく感じるかもしれませんが、アートを楽しむ気分で気軽に足を運んでみてはいかがでしょうか。きっと、何か新しい発見や気づきが得られるはずです。
ウィンドウアートの背面には、フィールドワークの軌跡を展示しているようなので、ぜひ手元で観察してみてくださいね。